国際技術委員会の委員長に就任・推薦されるまで編

昨年の11月から更新していませんでした。忙しさにかまけて。

昨年の反省もありますが、まずはここ数日のことを。

2月3日と4日に、ITTC Specialist Committe on Iceの会合を主催して、外国人の委員を相手にいろいろ議論しました。

このブログには書いていませんでしたが、昨年9月にコペンハーゲンで開かれたITTC総会で、Specialist Committee on Iceのchairに任命されました。日本語に直訳すると、氷の専門家委員会の委員長です。
(ITTCのCommittee Membersのページに記載されています。)
専門家委員会と言うとピンとこないので、説明するときは「国際技術委員会の委員長のことだ」と言っています。

なおITTCというのは、International Towing Tank Conferenceの意味で、直訳すると国際曳航水槽会議となります。(国際試験水槽委員会、と訳されることが多いですが。)船舶の性能試験の方法を議論したり、ルールを決めたりします。

はじめに、委員長になった経緯を書いておこうと思います。

「国際技術委員会の委員長」というと、なんか立派な感じがしますね。実際、昨年の9月に参加したITTC総会で出会った他の技術委員会の委員長たちは、押し出しが良く、英語もペラペラ、プレゼンテーションも総じて上手で、できるビジネスマンという感じの人たちでした。

なのに俺かよ。

…それにはわけがあります。

金野は2011年(第27期)からITTCの技術委員を務めています。通常は、曳航水槽と呼ばれるプール形状の実験設備を持っている組織から委員が出るのですが、うちの大学は曳航水槽を持っていないので、そもそも委員になるのが不自然ではあります。たとえば海上技術安全研究所やJMUには氷海試験水槽があるので、そちらから委員が出るのが自然です。実際、どちらの組織にも金野より適任だと思われる、実験に詳しい方が所属しています。

ではなぜ金野が委員になったかというと、海技研とJMUに委員を出すのを断られて、他に人がいなかった、というのが実態です。恩師から話が回ってきて、悩みましたが、いくらかでも日本の(業界の)役に立てるかと思い、引き受けて、3年間務めました。
(日本でも委員会を開いたりしました。)

ITTCの委員は、通常は2期(6年間)務めます。金野もあと1期は義務だと思っていました。
昨年、日本から次の期の委員を出すための会議がありました。金野は委員候補に入り…そこまでは想定どおりだったのですが…「委員長候補」として推されることになりました。

え。なんで。

「日本のプレゼンスのため」だそうです。
(ここは議論があるところだと思います。金野もちゃんと理解しているとは言い難いです。)

貨物船などの船舶は国境を越えて運航されるので、国際的なルールに則って設計・製造・運用される必要があります。だから性能試験方法を議論するITTCは、日本の造船業界にとってはときに重要な意味合いを持つ場合があり、蔑ろにできません。
そこで、ITTCの中で日本が存在感を示すために、委員長を出せるなら出したい。そういうことのようです。

ではほかの委員会の委員ではなく、なぜ氷の委員を委員長に推薦するのか。

前期の委員長はドイツ人でした。金野はそれなりにがんばって委員会に出席し、仕事をしてきたつもりです。
それが評価されたのか、はたまた東京での会議の夜にしゃぶしゃぶを食べさせた印象がよかったのかは分かりませんが、金野は前委員長から「次期委員長の候補である」という推薦を受けていたのだそうです。そこで日本代表が金野を委員長に推薦することにした、というわけです。

…というとかっこいいですが、金野は前委員長が前の委員の多くを委員長候補として推薦したに違いないと思っています。
なぜかというと、金野よりベテランで、水槽を持っている組織に所属しており、押し出しもよく英語も話せる委員がほかにいたからです。金野はよくて第2候補、実際にはもっと下位の候補だっだと推測しています。

しかしながら、2014年9月のITTC総会で、金野は委員長になっちゃいました。

ここにも裏話があるのですが、長くなったので稿を改めます。

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